ベトナムにて現地政府と水田AWDカーボンクレジットのワークショップを開催しました
2025年1月9日、ベトナム、ハノイのNational Agricultural Extension Center(以下「NAEC」)にて、日本とベトナムの水田でのAWD(間断灌漑)カーボンクレジットの専門家を集め、NAECと当社の共催にてワークショップを開催いたしました。
ベトナム農業農村開発省(Ministry of Agriculture and Rural Development、以下「MARD」)、NAECと、日本からは国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)(以下「NARO」)、国立研究開発法人国際農林水産業研究センター(以下「JIRCAS」)にご協力いただき、当社がオーガナイザーとして開催。
テーマはAWD*1の技術とMRV(温室効果ガス排出量の測定、報告、検証)を、ベトナムでInternational Rice Research Institute (IRRI)とWorld Bankが監修する100万ha規模のプロジェクトとJCM(二国間クレジット制度)*2で比較。JCMでの方法論の登録やガイドラインの設計をベトナムでスムーズに進められるようにすると共に、ベトナムでJCMプロジェクトを効率的に展開する方法を議論しました。
参加者の皆様
「AWDでの水田メタンの削減は、水田面積が日本の3.5倍あるベトナムでも大きな話題になっています。その中でも、JCMは日本とベトナムの2国間の取り組みとして注目されている一方で、制度や仕組みの整備に加えて科学的・技術的な合意が事前に必要となります。今回のワークショップは科学的・技術的な議論の大きな一歩であり、議論の中で双方から建設的かつ前向きな意見が交わされ、とても良いスタートになったと感じています。
今後も制度や方法論の最適化や両国の合意を早めることに少しでも貢献できるよう、更なる議論を進めていきたいと考えています。」ーフェイガーベトナムオフィスディレクター 高井佑輔
当社ベトナムオフィスディレクター高井(左)
*1 AWD(間断灌漑)とは:水田での水管理技術で、イネの播種後の活着期と 開花期を除いて一定期間、水を落として土壌を乾燥させた後、再び水を張ることを繰り返す手法。 この方法は、土壌内部の嫌気的な環境を減少させ、メタンガスの発生を抑制することができると同時に水の使用量を減らすことができます。
*2 JCM(二国間クレジット制度)とは:Joint Crediting Mechanismの略。先進国が途上国の温室効果ガス削減プロジェクトへ技術や資金を支援。その成果としてのCO2排出削減量を定量的に評価し、相当のクレジットを先進国が獲得することで、双方の国のNDC(各国が作成・通報・維持しなければならない温室効果ガスの排出削減目標等)の達成に貢献する仕組み。