米づくり57年。変わる農業と向き合い、これからの米づくりを考える「はまちゃん米」

米づくり57年。変わる農業と向き合い、これからの米づくりを考える「はまちゃん米」

はまちゃん米

Profile

米づくり57年。変わる農業と向き合い、これからの米づくりを考える「はまちゃん米」

福島県郡山市で米づくりを営む生産者。16歳から農業に携わり、農業経験は57年に及ぶ。長年培ってきた知見を生かしながら、中干し期間の延長によるクレジット生成など、新しい制度にも積極的に取り組んでいる。地域の農地や用水路を次の世代へつなぐため、息子さんや地域の人たちとともに、持続可能な米づくりを模索している。

濱尾勝徳様

はまちゃん米

Background

16歳で農業を始めた濱尾さんは、手作業から機械化まで、57年にわたる米づくりの変化を経験してきました。長年の失敗や試行錯誤も、現在の農業に生かされています。

一方、地域は中山間地に近い条件にあり、農地の大規模化やスマート農業をそのまま取り入れることは簡単ではありません。それでも濱尾さんは、次の世代が農業を続けられる環境に変えていきたいと考えています。

大きな課題は、農地の基盤整備に長い時間を要することです。地域では整備計画が進んでいますが、申請から実施まで約10年かかる見込みです。

「今71歳なので、整備されるころには80歳を超えています。次の世代に継ぐためにも、基盤整備をもっと早く進められないかと思っています」

さらに、農業者の減少により、用水路の管理などの負担も増しています。地域の条件に合った整備を進め、地域全体で農地を維持する仕組みをつくることが求められています。

Value

濱尾さんは、農産物の安全性や生産工程を管理するFGAP認証を取得し、一定の食味基準を満たした福島県のブランド米「福、笑い」も生産しています。

販売を始めた当初、「福、笑い」は一般的な品種より高い価格で取引されていましたが、現在は価格差が小さくなり、認証や品質への取り組みだけで付加価値を維持することの難しさも感じています。

こうしたなか、米価が低迷していた時期に、農業経営の新たな選択肢として農業由来J-クレジットの取り組みに参加しました。フェイガーとの取り組みでは、担当者が現地を訪れ、実施方法を説明する点に取り組みやすさを感じたといいます。

濱尾さんは、価格だけでなく、認証や脱炭素農業などの背景も消費者に知ってもらうことが、お米の価値を伝えるうえで大切だと考えています。

「どのように作られたお米なのか、その理由まで知ってもらえたらと思います」

*GAP・FGAP認証: 農薬・肥料の適正使用や食品安全、環境保全、労働安全など、農場の生産工程が適切に管理されていることを示す認証です。FGAPは福島県独自の公的認証です。

Future

地域で支え、次の世代につなぐ米づくりへ

地域の農業者は、かつての25〜30人から約10人に減り、用水路の管理などを担う人も不足しています。濱尾さんの地域では約40町歩の基盤整備を申請していますが、将来その農地を耕作する生産者は3軒ほど。少数の生産者だけで、農作業と地域の維持管理を担うことには限界があります。

地主の方にも、自分の土地や農地を持っているという意識を持って、一緒に用水路の手入れなどをしてもらえたらと思っています。

濱尾さんが目指すのは、一部の生産者だけに管理を任せるのではなく、地主や地域住民、行政・企業も農地に関心を持ち、ともに支えていく仕組みです。長年培ってきた経験を次の世代へ伝えながら、地域で農業を続けられる環境づくりを進めていきます。

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